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会宝通信メールマガジン

 こんにちは、近藤です。6月はナイジェリアからの研修が二つありました。一つは現在も続いている3か月間の自動車リサイクルの技術者研修です。もう一つが今回お伝えします行政官研修です。どちらもJICAの国別研修で、ナイジェリアでの自動車リサイクル制度を創るためのものです。

 ナイジェリア連邦政府の環境省、司法省、道路安全庁、国家車輌委員会、首都圏開発庁、それに最大都市ラゴス州の環境局などから14名が参加しました。日本でいいますと、環境省、法務省、経産省、国土交通省、東京都環境局といったところの30歳代の中堅官僚の方々です。車検制度、抹消登録制度、リサイクル制度などナイジェリアの自動車に関わる制度全体の構築を目指した壮大なものです。

 今回特に留意したのは、行政官の方々に現場を見て、日本での成功や失敗の事例を肌で感じてもらうことでした。まず訪れたのは香川県の豊島です。瀬戸内海に浮かぶ自然豊かな島では、1980年代自動車のシュレッダーダストが90万t程持ち込まれ、地下水汚染や大気汚染など甚大な被害を出しました。今も処理作業が行われている現場で、事件と闘った豊島住民会議の方の説明を聴き、皆大いに心動かされたようです。翌日、トヨタ自動車高岡工場では世界最先端の組み立てシステムを視察しました。

 私はナイジェリアの現状を見まして、車検制度が大事だと考えていましたので、民間車検場と北陸信越運輸局石川支局の視察を計画しました。石川支局では初めての外国人とのことでしたが快く引き受けてもらい、公的車検の全体の流れを体験することが出来ました。ナイジェリア国交省の車検制度を担当 している2名には大変良いデータが得られたと思います。

 日本政府からは環境省の室長補佐と経産省の係長が来てJICA北陸の会議室で3時間の講義をしてもらいました。官僚同士、鋭い質問も交わされ、熱のこもった内容の濃いものでした。

 6月1日TICAD(アフリカ開発会議)会場で、副大統領に直接私たちの要望書を渡すことが出来ました。一民間人のチャレンジから始まりましたが、着実に輪が広がり、政府が動き出すところまで来ました。今後ともオールジャパンで一歩一歩前進したいと思います。

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